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コンプガチャ禁止は間違いは間違い

コンプガチャ規制は政策として誤っているは誤っている

コンプガチャ規制は急成長を続けてきたソーシャルゲームの違法性に光を当て業界の健全化を推進する結果になった。
グリーとDeNAの株価総額は2000億円低下したといわれ、急成長していた違法ソーシャルゲームの
ゆがみが露呈したという見解だ。
それについて慶應大学経済学部 田中辰雄准教授はコンプガチャ規制は政策として誤っていると
という見解があった。それについて私は寄稿したい。

 この見解について世間の見解は全くの異端論なのでここに記しておきたい。結論から述べれば、私はコンプガチャの
ような高額課金システムは違法性があり、コンプガチャ規制は政策として正しいという意見である。

(1)コンプガチャの仕組みと事件の経緯

 まず、コンプガチャを知らない人のために簡単に仕組みを述べておく。ソーシャルゲームにおける
カード型のゲームでは、カードを使って戦いをするので、強いカードを集める必要がある。
カードを集める方法はくじを引くことで、このくじはゲームによってガチャとか召喚とか
呼ばれている。

 このくじには有料と無料があり、有料(たいてい1回300円)のほうがよいカードが
引けるようになっている。無料版でも引けるが一日にひける回数に制限があったり、
一定以上のレアカードが出ないなどの制限がある。強いカードがほしいユーザは有料版に挑戦しないと
次に進めず無料ではすぐに限界が来る、
これがゲーム会社の大きな収益源になっている。

 コンプガチャとは、この有料ガチャで、特定のレアなカードを何枚か(たとえば5枚)
そろえるとさらにレア度の高いカードがもらえるという仕組みである。
狙いのカードが出るまで引かないといけないので、そろえるためには相当枚数のカードを引く
必要がある。

 このコンプガチャはいわば非常にレアなカードをより高額で販売する仕組みと考えることができる。
一般論としていえば、出現率が低いカードは引くまでに何度もくじをひかなければならないので、
入手までに費用がいくらかかるか分からない、結果として高価格となる。コンプガチャはこの高価格の度合いが
さらに一段高くなったと思えばよい。

 このコンプガチャが消費者庁によって違反の疑いとされたのは、いわゆる「絵合わせ」に
あたるというのが論拠であった。

 絵合わせの典型例は、キャラメルなどのお菓子に景品としてカード(たとえば巨人軍の
レギュラー選手のカード)が1個につき一枚入っており、このカードを全種類集めると豪華な
景品がもらえるという景品手法で、景品表示法で禁止されている。

 コンプガチャは偶然出現するカードを特定数集めるとさらに良いものが得られるという点で、
この絵合わせそのものであり、それが違反の論拠になった。以上が簡単にまとめた経緯である。

(2)絵合わせはなぜ禁止されたか

 ここから私の見解を述べてみよう。まず、そもそも絵合わせはなぜ禁止なのかを考えてみる。
当時の報道などを見るとこれが禁止されたのは、子どもが食べきれないほどのお菓子を買い
お菓子は道端に廃棄し、カードのみを持ち帰る、高額な金額を使用する、食べ物を粗末にするなど、
社会問題になったからだとされている。その理由を当時の報道を手掛かりに私なりに整理してみると
次のようになる(実施したのは当時の公正取引委員会である。当時の簡単な要約はこちらにある)。

 理由1)購入者が確率を評価できない子供であり、だまされやすかった

 絵合わせの仕組み上、カードは最初はそろいやすいが、次第にダブりが増えてそろいにくく
 なってくる。子供はこのような確率の仕組みを理解せず、すぐにでも揃いそうな誤った期待を抱く。

 理由2)本来の商品より景品の方が中心になった

 景品は本来、お菓子のおまけにすぎないのにかかわらず、景品目当てで大量にお菓子を買い、
 お菓子を捨てる子供が出たりした。景品表示法はそのような本末転倒は望ましくなく、
 景品は元の商品の価値を大きく超えてはならないとされており、これに違反した。

 理由3)不公正な確率操作が行われた。

 カードは等しい確率では入っておらず、特定のカードだけ出にくくなっている例がほとんどだった。
 買う人は通常はどのカードも等しい比率で入っていると考えているので、
 結果的に購入者をだますことになった。

このなかで理由3は説明を要する。たとえば10枚そろえるとして、9枚はすべて1割程度の確率で
入っているが、最後の1枚だけ1%の確率でしか入っていないとする
(巨人軍のカードでは監督のカードだけ極端に出にくかったといわれる)。

 通常、買った人はすべてのカードが同じ確率で入っていると思っているので、
最後の1枚も同じように出るはずだと思って、何度も買い続けることになる。

 この不合理さは実際に現場に立ち会うとよくわかる。私の子供のころにはまだ絵合わせ景品つきの
お菓子が残っており、近所の駄菓子屋で売られていた。その駄菓子屋には毎日のように来る
子供がいて、店主に「F出た?」と聞いていた。この絵合わせはアルファベットで
AからZまで26種類カードをそろえるが、Fのカードだけが出ないのである。

 その子供はあとは全部そろい、Fだけあれば賞品(もう忘れたが、子どもにはありえないような
豪華な商品であった)がもらえるとつぶやいていた。ところが引いても引いても出ない。
それでもあきらめきれず、Fが出た子が他にいないかを聞くためだけに、
その子は毎日駄菓子屋に来て店主に聞いているのである。

 店主に出ていないと聞いて、悲しい顔をして帰っていた子供の顔はよく覚えている。
このお菓子の製造業者はFのカードはそもそも入れていなかったのではないかとも思う。
子供はFがいつかは出るはずだと信じていたに違いない。このように子供をだますようなやり方は
許せないと親なら思うだろう。

 お菓子業者の側にも言い分はあっただろう。お菓子のカードの場合、子ども同士でカードの
交換ができるので、実はあっというまにそろってしまう。

 アルファベット26枚分を一人で集めるのは至難であるが、友人10人くらいで不要カードを
交換しながら集めればすぐにそろってしまう(この点からいえば、実は理由の1は深刻な問題だ
なぜならコンプのカードはコンプ実施期間中はユーザ間での交換が不可になっている)。

 したがって、業者としてはどれか特定1枚の出現率を減らさないと、景品くじとして成立しない。
その特定1枚の出現率が、実は景品に当たる真の確率である。しかし、そんなことは子供は知らない
ので、同じように出てくると思って最後の一枚を求め続け、結果としてはだますことになってしまう。

 もちろんすべてのカードの出現率を等しくするように規制する手もありえる。
しかし、すでに述べたように子どもがカードを交換できないので容易にそろわず、法律で禁止されている
絵合わせそのものになってしまう。
また、お菓子は非上場の中小業者が多くて等確率にしては、用意する景品が山のように必要だということが
容易に想像できたのであろう。

 さらに理由2に述べたように、そもそも製品はお菓子本体なので、禁止するとお菓子の売り上げに
大きな打撃を与える。絵合わせを禁止すればお菓子会社の株が急落する。このように考えれば、当時、
絵合わせは禁止してしまうのが政策のコストと効果から考えてもっとも合理的な選択だった。
かくして絵合わせは禁止され、相当の決着を見た。
理由1に書いた、お菓子は中小業者で非上場が多くというのと上記のお菓子会社の株が急落という部分は
矛盾しているが気にしないで欲しい。

(3)コンプガチャに適用できる

 ここでソーシャルゲームのコンプガチャにこれらの理由が適用できるかを考えてみよう。
すると絵合わせそのものであることに気づく。

 第一の利用者が子供というのはまさにその通り。問題のある利用者は子供である。親のクレジットカードを
無断で利用して、なおかつ、確率を大きく見込み違いをしてしまう年齢だ。

 確かにコンプの確率の計算自体は難しく、コンプシミュレータなるものまでつくられているほどで、
全部そろうまでの期待回数の確率計算は容易ではない。しかし、これは一人でやるゲームではなく、
ソーシャルゲームである。全部そろうまでに何回まわしたかの情報はプレイヤーの間でやりとりされており、
「私は5回でそろった」「8回かかった」「15回まわしてもだめであきらめた」などの情報がやりとりされている。

 このような友人の口コミ情報からコンプまでにかなりの金額が必要になることは周知のことであるが
自分だけは良い確率で揃うだろうと見込み違いをする年齢であり、あと1枚で揃うという心理状態の
コンコルド症候群という言葉すらも知らないDQNが多い。

 一部に確率計算でだまされているという見解がある、それはメーカーの意見であり、
実際にレアカードの販売状況が悪い場合に、確率を上げたり、1回のガチャを値引きしたり
販売のノルマの追われている。一般ユーザで、たった2回で揃った、1回目で出た、などのサクラの情報をもとに
コンプに臨んでいるが自分のお金ではないので子供は揃えることのみを目的としてガチャをまわすのだ。

 第二の、景品のほうが商品よりおおきくなってはいけないという論点もあてはまる。なぜなら、カードは
景品そのものであり商品そのものだからである。

 コンプガチャで手に入るのは、ゲーム上で使われる強く魅力的なカードで、ゲームの一部と見せかけた商品である。
ただ、たくさんカードを引かなければあたらないので、結果として高額化しているだけである。
キャラメルと景品の例になぞらえれば、キャラメルの景品が高額化おり、キャラメル自体はゴミとして
おまけが景品に相当する。景品は存在しており、ある

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